第65章 彼女は小泉大輔の声を聞いた

皆があれこれ勘ぐるなか、香澄だけは外野に揺らがなかった。

彼女の目も心も、稲妻でいっぱいだ。

何日も会っていなかったのに、稲妻は香澄が出す指示をきちんと覚えている。

何をさせても、すぐに反応してくれる。

少女と一匹。仲良くじゃれ合う姿があまりに愛らしくて、周囲の女性客たちは胸を撃ち抜かれたようにとろけていた。

少し離れた場所で、その光景を見ていた理玖は、羨望で目をぎらつかせる。

警備犬が何なのかはよく分からない。けれど、あの犬は欲しい。

今夜このバカがあんなに贈り物をもらったんだ。犬くらい奪っても、横尾パパは何も言わないだろう。

そう考えた理玖は、ゆっくりと距離を詰めてくる。...

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